「今日のイベント」を、まちのデジタルサイネージへ。清里高原で実証をはじめます
03合同会社では現在、「清里高原 チラシとカレンダー」のWebサイトを使った、新しいデジタルサイネージの開発を進めています。
きっかけは、とても単純なものでした。
「今日、清里では何をやっているんだろう?」
観光で清里を訪れた人が、ホテルやペンションのフロント、観光案内所、駅やお店などで、そんな情報をすぐに知ることができたら便利なのではないか。
そこで「清里高原 チラシとカレンダー」に登録されているイベント情報から、その日に開催されているイベントだけを取り出して、1920×1080ピクセルのHDディスプレイに表示する専用ページを作りました。
Webページを、そのままデジタルサイネージに
現在開発しているHDページは、一般的なテレビやモニターで表示しやすい16:9の横長画面を前提にしています。
その日のイベント情報をWebサイトから取得して表示するため、サイネージ用に毎日画像やPowerPointを作り直す必要はありません。
イベント情報が更新されれば、サイネージ側にも反映されます。
つまり、
「Webサイトの今日のイベント情報が、そのまま地域のデジタルサイネージになる」
という仕組みです。
ホテルやペンションのフロントに小型のディスプレイを置いたり、観光案内所や店舗のテレビに表示したりすることができれば、地域を訪れた人に「今日、この近くで何があるのか」を伝える、小さな情報窓口になるのではないかと考えています。

でも、イベント一覧だけでは「サイネージ」らしくない
実際にHDページを作って表示してみると、もうひとつ課題が見えてきました。
イベント情報がきれいに表示されていても、同じ画面がずっと表示されているだけでは、離れたところにいる人の目にはなかなか入りません。
そこで次の段階として考えているのが、
「今日のイベント」
→「静止画像」
→「静止画像のスライドショー」
→「動画」
→「今日のイベント」
といったコンテンツを、自動的に切り替えながら繰り返し再生する仕組みです。
これなら、地域イベントの案内だけでなく、観光施設の紹介、季節の風景、地域からのお知らせなども一緒に表示できます。
専用のサイネージ機器を導入するのではなく、Webブラウザを使って表示することも、この仕組みの特徴のひとつです。
「今日、何がある?」に答える
観光地では、WebサイトやSNSにたくさんの情報があります。
しかし旅行中の人が知りたいのは、必ずしも大量の観光情報ではありません。
「今日、何かやってる?」
「明日は?」
「この近くで行けるところは?」
そんな、とても素朴な問いだったりします。
「清里高原 チラシとカレンダー」では、イベントをカレンダーとして掲載するだけでなく、「今日」という時間から地域を見るページを作っています。
その「今日のイベント」を、スマートフォンだけではなく、まちの中にあるディスプレイにも表示してみる。
Webの中にあった情報を、もう一度リアルな場所へ戻してみる試みでもあります。
QRコードで「見る」から「持ち歩く」へ
デジタルサイネージには、もうひとつ役割を持たせたいと考えています。
画面を見て、
「このイベント、面白そう」
と思った人が、QRコードをスマートフォンで読み取る。
すると、自分のスマートフォンで詳しいイベント情報を見ることができます。
サイネージは「気づく場所」。
スマートフォンは「詳しく調べて、持ち歩く道具」。
そんな役割分担です。
宿泊施設のフロントで見つけたイベントを、そのまま自分のスマートフォンに持って出かけることができます。
「いま役に立つ情報」が、やがて地域の記録になる
この取り組みで大切にしていることが、もうひとつあります。
イベントが終了したら、その情報を消してしまうのではなく、チラシなどとともにアーカイブとして残していくことです。
今日の観光客にとっては、
「今日、どんなイベントがあるのか」
という実用的な情報です。
しかし10年後、20年後に振り返れば、
「2026年の夏、清里ではどんなイベントが開かれていたのか」
を知るための地域資料になります。
いま役に立つ情報と、未来に残す記録。
この二つを同じ仕組みの中で実現できないだろうか。
それが「チラシとカレンダー」を作っている理由のひとつです。
デジタルサイネージも、その延長線上にあります。
清里高原から、小さく実験する
最初から大規模なデジタルサイネージシステムを作ろうとは考えていません。
まずは清里高原という小さなエリアで、
- 今日のイベントを表示する
- 静止画像を表示する
- 動画を再生する
- それらを自動的にループする
という基本的な仕組みから実験してみます。
そして実際に使ってもらいながら、
「どのくらいの範囲のイベントを表示すると便利なのか」
「どんな情報があると宿泊客に喜ばれるのか」
「何秒くらいで画面を切り替えると見やすいのか」
「ホテル、ペンション、店舗では、それぞれ必要な情報が違うのか」
といったことを確かめていきたいと思っています。
まちの中に「地域情報の窓」をつくる
「清里高原 チラシとカレンダー」は、単なるイベント情報サイトではなく、
「まちの目次、地域の索引。」
をつくる試みでもあります。
デジタルサイネージもまた、その「目次」をまちの中に置く方法のひとつなのかもしれません。
ホテルのフロントに。
ペンションのラウンジに。
観光案内所に。
駅に。
カフェやショップの片隅に。
小さなディスプレイがひとつあって、そこを見ると「今日、この地域で何が起きているのか」がわかる。
そして興味を持った情報を、自分のスマートフォンへ持っていける。
さらに、その日に表示されていた情報は消えてしまうのではなく、少しずつ地域の記録として蓄積されていく。
そんな仕組みを、まずは清里高原から試してみたいと思っています。
03合同会社では、「清里高原 チラシとカレンダー」のHDページを使ったデジタルサイネージの実証を、清里チャレンジラボの出典で、清里駅構内をフィールドに進めていきます。
まだまだ小さな実験です。
でも、小さなディスプレイの向こう側に、これからの地域情報とデジタルアーカイブの新しい関係が見えてくるかもしれません。


